2015年12月31日

学術マネジャーが行く、第54回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会中国四国支部学術大会参加報告

★医療機器メーカー展示スペース及び各県展示スペースの様子
シンポジウム1の3の間に、7階のスペースを見て回った。
医療機器メーカーの展示スペースを見て回り、
中国四国の各県が県の特徴をアピールするブースを見て回った。
ここでも、香川の溝渕先生や
広島の荒川先生など活動的な方たちが各県のアピールを行われていた。
岡山県は・・・


★ポスターの様子
ポスターも見て回った。
その中で、注目したポスターが次のものです。
P-37 高知県における患者の飲み残し薬調査(1)〜アンケート集計及びデータ処理用C/Sシステムの構築〜
P-38 高知県における患者の飲み残し薬調査(2)〜服薬状況についてのアンケート解析〜
P-39 高知県における患者の飲み残し薬調査(3)〜〜残薬と数量及び金額との関係〜

薬、降圧薬などがともに多くみられたことは、疼痛緩和あるいは慢性疾患での血圧・血糖値など良好な維持が来ていない可能性が示唆され、適正な薬物療法が行われていないものと考えられる。薬剤師が積極的に服薬支援を行い、健康や病気の予防に関する専門知識を発信し、患者のアドヒアランスの向上、服薬状況の改善を図ることにより、医薬品の適正使用、適切な薬物療法、さらに薬剤費の削減にも貢献できるものと考えられる。という内容。
非常に参考となった。大学、薬剤師会、公的機関、薬局が調査したものであり、今後我々に求められている連携だと感じた。

残薬となった内服薬の薬効分類別数量
335品目中、1位:下剤(酸化マグネシウム)、2位:消化性潰瘍剤(レバミピド)、3位:ビタミンB12製剤(メコバラミン)など残薬の多かった上位20品目に置いて全体の40%を占めていた。
用法で見ると、1日1回の服用がほぼ半数を占めていた。この理由として、高齢者の飲み忘れ対策として服用方法の簡便化の推進によるものと考えられるが、それにもかかわらず「飲み忘れてしまう」ことから、ヘルパーなどの多職種と連携し薬剤師が積極的に服薬支援を行うことが重要。
金額及び数量において、解熱鎮痛消炎薬、糖尿病

★ランチョンセミナー2の様子
ランチョン2.png 
今回の学術大会への参加した中での一番の楽しみといっていい、医療法人つくし会 南国病院 薬剤部長 川添哲嗣先生のご講演である。以前より、何度かお話しを伺っているが、内容が進化していた。
改定2.png
★さまざまなことが原因で、残薬問題が出てきています。
・退院時の薬剤をきちんと整理
⇒縁部病院に持ってきていない、DPCで病院から持って来ないようにいわれる・・・などの問題がある
・注射が面倒くさかった
⇒インスリン注射を打っていないということは、検査結果が悪いからといって単位をあげてはダメ!患者の自己防衛反応で、単位が上がって打つと、低血糖になると考えて、単位を減らして自己判断で打つので効いていないこととなる悪循環となる。この場合は、処方設計のやり直しを薬剤師がきちんと伝えられるようにしなければならない。
・老老介護
⇒薬の切り離しをしての管理の仕方が原因
・家族の不仲
・いらないけれど、出してもらえるのでもらっておくという心理
・認知機能の低下
⇒週1回製剤が良いというわけでもないという現実
⇒単純な飲み忘れ42%、少しずつたまってきている9.7%、理解不足、用法間違い2.7%、必要性の認識不足12.6%

ここで、薬剤師の出番!
★外来での対策
・受診時残薬確認を必ず行い、次回(当日)処方の減量を疑義照会
・薬局は一つにまとめる。かかりつけ薬局にしっかり相談しながら対策を考えていける環境を作る
・門前だけでなく、すべての薬局で意識して行うことが大切
・病院薬剤師でも、残薬の次回対策を決めておくことが大切で、連携をしておくことが求められている
★入院中の対策
・シンプル処方⇒生活に併せた服用地点、退院後を見据えて入院中から準備
・認知、運動機能、そして摂食・嚥下機能の評価と対策⇒評価シートの活用、多職種フォロー

とても大変な作業だが、お薬手帳にきちんと病院で検査値やうれしいことや必要なことなどのメッセージをしっかりと載せて退院させてあげるということが大事。退院前カンファレンスには時間がないながらも可能な限り参加し、入院中から退院を見据えて処方を提案すると医師も認めてくれるようになる!病院薬剤師からの発信も求められていて、薬局薬剤師と連携をすることが、最終的には患者さんのためになる。
服薬全体を見て、問題点がどの段階(内服薬:薬を見る⇒薬ということを認識する⇒薬を取る⇒薬を出す⇒薬を口に入れる⇒ごっくんと飲む)(外用薬:薬を見る⇒薬ということを認識する⇒薬を取る⇒包装から取り出す⇒剥離紙をはがす⇒貼る)にあるのかをきちんと理解して、解決方法をみつけてあげることも薬剤師としての大切や役割である。
という内容であった。

薬剤師としてできることは沢山あり、生活状態や家族構成などを踏まえて患者と向き合えば、本当の意味での薬剤師としての役割を果たすことができると感じました。


★シンポジウム2「改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムにおける実務実習」
今回の目標に掲げていた、薬学教育に関連する内容である。また、明日の口頭発表に結びつけるための自身も口頭発表を行い、薬学教育に期待することを伝えることを目標として参加しました。
  
図1.png
改定コアカリ1.png
1.改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムにおける実務実習〜病院実習でなにをすればよいのか〜
改訂モデル・コアカリキュラムでは事前・病院・薬局実習が「薬学臨床」に一本化され、「安全で有効な薬物療法の提案とそれを実施・評価できる能力の修得」および「チーム医療・地域医療への参画能力の修得」に新たな力点が置かれた。これに従って、大学が主導的役割を果たし、実習を行う実習施設と円滑に連携して、実習の水準の確保・向上を図ることを求めている。この中で、大学と実習先は緊密な連携のもとに、「代表的な8疾患」に継続的に関われるような実習を提供しなければならない。そのためのポイントは、以下のものです。
@実務実習は参加型の臨床実習であることを念頭に置くことが大切である。参加型臨床実習は医療系学生にとって共通であり、医療チームに参加しその一員として、薬学の場合は薬剤師・思考(問題解決能力)・技能・態度を総合的に学べるような工夫を行い、実務実習は大学教育の一環であることを忘れてはならない。
A改訂コアカリキュラム下での実務実習では、SBOsが100%実行されることが必要条件となる。大学側と受け入れ施設は実習内容について事前に十分協議することが必要です。
という内容です。
2.薬学実務実習に関するガイドラインに沿った薬局実習に向けて
ガイドラインで指摘されている重点は、@参加・体験型の臨床実習の充実とA大学が主導して行うが病院・薬局が連携した一貫性のある実習の2点である。実務実習における課題や大学教育における課題も指摘されており、これらの課題を踏まえて、ガイドラインではその是正を提示している。薬局と病院との一貫した実習については、学生や実習状況の情報をどのように施設間で共有するかが重要な課題であるが、これについてもガイドラインでは、「実務実習実施計画書」を作成して情報を共有することになっているので、この計画書の具体的な準備が急務である。この連携がうまくいけば、地域医療連携にも大いに貢献すると期待できる。
今後、連絡会議では、必要な情報発信やツール作成など、優良な例があれば積極的に紹介して、準備を強力に進めていく必要が圧と考えている。という内容です。
この講演の中で心に響いたのは、患者さんと伴走する薬剤師の姿や、患者さんや来局者の方から頂いた「ありがとう」の言葉は一生の宝ものとなるので、それを体験できるような実習にしてもらいたいという言葉です。

3.改訂コアカリに対応した実務実習〜大学はどのように対処すればよいのか〜
改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムにおいて、「薬剤師に求められる基本的な資質」を身につけるためにコアカリを学習するという立場を明確に謳い、原稿で事前学習、病院実習、薬局実習毎に独立して記載されていた到達目標を一本化して「F 薬学臨床」としてまとめたことが特徴である。
「F 薬学臨床」は、薬局と病院の区別を排除し、方略等の記載を無くして、他のコアカリ部分と統一性を持たせる形式となっている。内容は、「処方設計と薬物療法の実践」などの目標に力点がおかれ、「代表的な疾患」8疾患を定めて、実務実習中にこれらの疾患の患者と幅広くかかわることが必要とされており、実習の枠組み、実習実施のための施設や大学への指針が提案されている。すべての学生が「代表的な8疾患」の薬物療法をできるだけ体験できるように努めるだけでなく、学生の最終的な評価に責任を持つことが求められています。

 
医療人としての使命は次の3つ。
1)治るべき病気を治るようにする、治る病気を増やす
2)知識と技能を尽くしても治らない病気になった人が希望を持つことができます
生きている⇒生きていく
3)良き後輩を育てる
 基本的資質の教育能力が大事で、医師・看護師と同様で、薬剤師も育つようにしなければならないのではないか!
という内容です。

このシンポジウムの中に矛盾を感じたことがあったので、それは後の口頭発表の場で。
また、明日の口頭発表が薬学教育に関する内容であったため、急きょではあるが伝えるべき内容が見いだせ、収穫のあるシンポジウムでした。
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